汽水域 Ki-sui-iki

ローカルとオルタナティブ 浸透し混じり合うところに生まれる生態系

2017-01-01から1年間の記事一覧

【おんな城主直虎】(44)母という檻

第44回「井伊谷のばら」の元ネタは、母子のつながりを描くという意味では「ベルサイユのばら」ではなく「パーマネント野ばら」ではないか。 いよいよ初陣を迎えた万千代。家康暗殺の企てを見破り未然に防ぎ、1万石の知行を与えられることになる。井伊谷で…

【おんな城主直虎】(43)おとわ、竜宮小僧になる

第43回「恩賞の彼方に」では、おとわと万千代の目指す道のちがいは二人の行動に明確に表われる。 材木の乱伐によって山崩れが起きた井伊谷。おとわは近藤に進言して植林を行うことにする。一方、小姓に昇進した万千代は家臣たちの手柄の整理をきっかけに、…

『関係人口をつくる』(田中輝美)

ローカルジャーナリストの田中輝美さんが自らも関わった島根県の施策『しまコトアカデミー』を例に、定住人口でも交流人口でもない新しい切り口、関係人口の地域振興における重要性について書いた本です。

【おんな城主直虎】(42)茶碗・鉄砲・柵・やおい

第42回「長篠に立てる柵」では、歴史的大事件の裏側のできごとが描かれる。 家康は信長の援軍を得て長篠で武田軍を迎え討つ。大量の鉄砲を用いた新戦術で織田・徳川連合軍は大勝利を飾る。六左右衞門は材木調達の功を認められ、信長から高価過ぎる茶碗を拝…

私とお雑煮 外側を持たないまだらな世界を夢見て

正月に食べるお雑煮というのは日本に古くから続く風習ですが、餅の入った汁ものというだけが共通でディティールは各地で異なっています。どこかの大学の研究室が全国お雑煮マップというのを作って、都道府県ごとにお雑煮を分類していました。そこでは私の郷…

【プロ野球】日本シリーズ緒戦に勝ったチームは本当に有利なのか

福岡ソフトバンクホークスとDeNAベイスターズの対戦に決まった2017年の日本シリーズ。10/28より日本一を賭けた戦いが火ぶたを切って落とされます。スポーツの世界でよく言われるのが先手必勝ということ。短期決戦の日本シリーズでは緒戦を取った方が有利と言…

【おんな城主直虎】(41)万千代の策ふたたび破れる

第41回「この玄関の片隅で」では、万千代の策動がふたたびおとわを騒動に巻き込む。 万千代が草履番の後釜として育てることになったのは、ノブという中年男だった。ノブは特異な才能を発揮し、武田との戦に大量の材木が必要だという情報を入手する。万千代…

【おんな城主直虎】(40)城勤めは気楽な稼業ときたもんだ

第40回「天正の草履番」という副題は、本作と同じ森下佳子脚本でドラマ化された「天皇の料理番」から。 徳川家の草履番として浜松で働き始めた万千代と万福。しかし、万千代が松下の名を捨て井伊の家名を復活させたことで、松下家の人々や井伊谷を預かる近…

【おんな城主直虎】(39)直親のDNAと虎松の野望

第39回「虎松の野望」では、菅田将暉演じる成長した虎松がいよいよ本格登場。 父・直親の法要で井伊谷を訪れた虎松は井伊家再興の思いを新たにする。徳川家に小姓として仕えることになった虎松は、策を巡らせ家康より井伊万千代の名を与えられて仕えること…

【おんな城主直虎】(38)去りゆく龍雲丸と居残り氏真

第38回「井伊を共に去りぬ」では、龍雲丸が堺に去り、成長した虎松が登場する。 武田軍に火を放たれ井伊領の村々は焦土と化す。南渓和尚は信玄との直談判に赴き、おとわと近藤は武田を欺きながら井伊谷を守ろうとする。そんな折、信玄が急死。武田軍は去り…

【おんな城主直虎】(37)もろく儚いしあわせ

第37回「武田が来たりて火を放つ」という副題は、金田一耕助シリーズ「悪魔が来たりて笛を吹く」から。 3年の月日が流れ、おとわは龍雲丸とともに瀬戸村で暮らしていた。堺へ移った中村屋から龍雲丸に誘いがあり、おとわは龍雲丸とともに堺へ行く決意をす…

【おんな城主直虎】(36)永禄12年のパクス・トクガワーナ  

第36回「井伊家最後の日」では、おとわに戻った次郎が龍雲丸と結ばれる。 遠江に平和が戻った頃、しのの再嫁先の松下家から虎松を養子にしたいという話が舞い込む。南渓に諭された次郎は井伊家再興を諦めることにする。これに反発した虎松や家来たちも、や…

【プロ野球】好調巨人の来季に不安あり ギリシャ破綻と同じ轍を踏むのか

レギュラーシーズンの佳境を迎えたプロ野球では、読売ジャイアンツが好調だ。勝率も5割を超え、逆転でのクライマックスシリーズ進出も視野に入ってきた。しかし、その陰で常勝軍団再建という大目標からは遠ざかっている。

【おんな城主直虎】(35)戦争と平和

第35回「蘇りし者たち」では、戦争の悲惨さが語られる。 虐殺が行われた気賀で、龍雲丸はただひとり瀕死の重傷で助け出され、次郎法師たちの介抱によって息を吹き返す。徳川の大沢攻めは激戦を極め、井伊家に仇をなした鈴木重時は戦死、近藤康用は重傷を負…

リビング・エニウェアを読み解く 都市の発展形と共同体の再構築

リビング・エニウェアというバズワードを軸に、これからの課題を整理してみました。リビング・エニウェアとは、土地や土地に関連付いた設備や機能などに縛られず、主体的に選択しながら世界中の住みたい場所に住んでいく、といった考え方です。 まず、リビン…

【おんな城主直虎】(34)龍雲丸の自由VS.邪悪な徳川軍団

第34回「隠し港の龍雲丸」では、気賀と龍雲丸に絶体絶命の危機が訪れる。 直虎は政次を失ったショックから自分の世界に閉じこもってしまう。徳川と今川方の大沢との戦いは気賀にも及び、方久は大沢方に城を奪われ、中村屋は徳川に味方する。家康は城にいる…

【おんな城主直虎】(33)嫌われ政次の一生

第33回「嫌われ政次の一生」では、ついに政次が死に、歴史の闇に葬り去られる。 近藤の策略により、井伊が徳川に手向かいした疑惑が発生。政次は城を捨て逃走、政次をかばう直虎も牢につながれる。家康は政次が無実であることを見抜くが、今川攻めに忙しい…

『日本のいちばん長い日』を見比べてみた

『日本のいちばん長い日』は、1967年の映画。監督は岡本喜八。東宝創立35周年を記念してオールスターキャストで製作された。リメイク版の監督は原田真人。2015年の終戦70年を機に公開された。

【おんな城主直虎】(32)政次よ、これが死亡フラグというものだな

第32回「復活の火」では、直虎の策が破れ政次が窮地に陥る。 直虎は家康に書状を送り政次の内応を約束するが、すでに家康は次善の策として鈴木、菅沼、近藤の調略を行っていた。武田軍の侵攻により今川は壊滅状態になる。家康も三人衆を先陣に遠江に侵入す…

【おんな城主直虎】(31)地獄でなぜ悪い

第31回「虎松の首」では、今川の謀略を逆手にとった直虎と政次の策が動き出す。 直虎は徳政令の実施を認め、自らは領主の座を退く。井伊領は今川の直轄となり、井伊家の面々は隠れ里に身を隠す。氏真は政次を井伊の城代とする条件として、虎松の首を要求す…

【おんな城主直虎】(30)謀略に組み込まれたときに心得るべき2,3のことがら

第30回「潰されざる者」では、ついに井伊家が絶体絶命の窮地に陥る。 氏真は徳政令を蒸し返して、それを口実に井伊家を潰そうと謀る。心ならずも今川の陰謀に組み入れられた方久は態度が不審になり、政次に見破られてしまう。しかし、氏真側近の関口は既に…

【おんな城主直虎】(29)徳川軍団のトリセツ

第29回「女たちの挽歌」では、虎松の生母・しのが井伊谷を去る。 ついに寿桂尼が死に、今川と武田は正式に手切れとなる。直虎の武田包囲策は不発に終わり、家康は武田に与しての今川攻めを決断。井伊家は、しのを松下家に再嫁する形で徳川の人質とすること…

【おんな城主直虎】(28)ライアーゲーム

第28回「死の帳面」では、寿桂尼が最後の力を振り絞り辣腕を見せる。 直虎が気賀取りを画策していた頃、寿桂尼は北条を交えた外交交渉で、武田に嫁いだ氏真の妹・鈴を今川に戻すとともに、武田との緊張関係に小康状態をもたらすことに成功していた。寿桂尼…

【おんな城主直虎】(27)直虎、湖に城を築き出る杭になる

第27回「気賀を我が手に」では、ついに井伊が気賀を手に入れる。 方久の策で、直虎は気賀の城に大沢ではなく井伊が入れるよう画策。方久は今川重臣・関口を懐柔する。龍雲丸は気賀の城普請を自ら請け負い、湖に浮かぶ不思議な城を造る。大沢が軍事と普請の…

ジーサンズ はじめての強盗

ジーサンほど銀行強盗がよく似合う生きものはいない。 マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、アラン・アーキンという3人のオスカー俳優が、銀行強盗を画策する怒れるジーサンを演じている。クリストファー・ロイドも味のあるボケ老人を好演。

【おんな城主直虎】(26)唇亡ぶれば歯寒し

第26回「誰がために城はある」では、今川が気賀に介入してくる。 直虎は謀反の疑いが晴れる。今川氏真は、井伊の材木を使って気賀に城を築き家臣の大沢を城主に入れようと画策する。自治が侵される懸念に気賀の街は賛成派と反対派が争う事態になる。仲裁に…

【将棋】将棋界最強はこの12人!藤井聡太四段は本当に強いのか?

天才中学生、藤井聡太四段の大活躍で注目されている将棋。藤井四段の昼ごはんとか、藤井四段の財布とか、藤井四段の四字熟語とか、といろんな藤井四段が注目されている将棋。 しかし、気になることがひとつあります。藤井四段はどれくらい強いのか?というこ…

【NBA】クリス・ポールの移籍でロケッツは優勝候補の一角に

NBA

リーグ最高のポイントガード、クリス・ポールが大型トレードでロケッツに移籍。ロケッツは一躍、有力な優勝候補になった。しかし、ポールはジェームズ・ハーデンと共存できるのか?疑問について考えるとともに来季のNBAを展望した。

【おんな城主直虎】(25)オフィシャル対パブリック

第25回「材木を抱いて飛べ」は、高村薫原作、井筒和幸監督の『黄金を抱いて翔べ』のパロディ。妻夫木ならぬ柳楽優弥が、金塊ではなく材木を強奪する。 井伊家は気賀を通じて、材木を出荷する。しかし、材木の売り先が三河だったことから、今川家から徳川へ…

【おんな城主直虎】(24)ゆるい幸せがざらっと続くとして

第24回「さよならだけが人生か?」では、いよいよ歴史が動き出す。 今川家では、武田に対する制裁として塩止めを行うとともに、家中の引き締めのため縁談を積極的に推し進めていた。新野家の三女、桜には今川の重臣・庵原氏へ嫁ぐよう命が下る。直虎と南渓…