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汽水域 Ki-sui-iki

ローカルとオルタナティブ 浸透し混じり合うところに生まれる生態系

【NBA】2017プレイオフ展望

NBAは、現地12日にレギュラーシーズンが終了し、すべてのプレイオフチームが出そろった。15日から始まる2017プレイオフを展望する。

 

 

NBAの2016-2017シーズンは、プレイオフ出場チームとシード順の決定が最終戦までもつれこむ激戦となった。

 

東地区のプレイオフ争いは、後半戦猛追を見せたヒートがわずかの差で涙を飲み、ペイサーズとブルズがスポットを確保した。そして、王者キャブスは第1シードから陥落。セルティックスが地区内のホームコート・アドバンテージを手に入れた。

 

西地区では王位奪還を目指すウォリアーズが順当に首位を確保。第4シードの争いは最終戦までもつれ込み、今季躍進のジャズを抑えて、クリッパーズがジャズとの直接対決のホームコート・アドバンテージを手に入れた。

 

現地15日に始まるプレイオフの展望をファーストラウンドの組み合わせを中心に見て行きたい。

 

東地区

東地区では王者キャブスが終盤の大失速で第2シードに回り、セルティックスが第1シード。ジョン・ウォール率いるウィザーズが真価を発揮して第4シードに躍進した。

 

王者キャブス、力をつけてきたセルティックス、経験のあるラプターズが中心となってファイナル進出を争うが、王者キャブスはディフェンスの崩壊を修正できておらずファイナル進出が黄信号。セルティックスが東の本命と考えてもいいだろう。

 

組織力で勝るセルティックスが有利

1.ボストン・セルティックス 53勝29敗

8.シカゴ・ブルズ 41勝41敗

ブラッド・スティーブンス就任以来着実に力を着けてきているセルティックスは、アイザイア・トーマスとアル・ホーフォードが中心。特にトーマスの第4クォーターの爆発は脅威で、堅実なチームにクラッチタイムに必要な得点力を付け加えた。

 

開幕前に上位進出を予想されたブルズは期待を裏切り8位。シーズン中のトレードもあり、再建モードかと思われたが、なんとかプレイオフ進出。今季絶望といわれたウェイドがこの時期に復帰してきたのは明るい材料だ。

 

順当にいけばセルティックスのスイープ。攻守に圧倒しそうだ。ヒートはバトラー、ウェイド、ロンド、カーター・ウィリアムスと豊富なガード陣が噛み合っていないが、個人の能力は高い。セルティックスの弱点は、トーマスに対する1対1の攻撃とディフェンス・リバウンドの弱さ。ヒートがここを突いていければおもしろくなる。

  

持ち味を出せるのはどちらのチームか

4.ワシントン・ウィザーズ 49勝33敗

5.アトランタ・ホークス 43勝39敗

昨季はカイリー・アービングに差を付けられたジョン・ウォールだが、今季の活躍でその立場は再び逆転したかもしれない。ウォール、ビール、ポーターのガード陣の破壊力は抜群。特にスピードに乗った速攻は止めることが不可能だ。

 

ドワイト・ハワードが加入したホークスだが、不安定な戦いを続け、シーズン中のトレードで再建期に突入したかと思われた。しかし、キャブスを2戦続けて破るなど勢いに乗ってプレイオフを迎えており、シューター陣が好調なら番狂わせを狙うこともできる。

 

ウィザーズはアップテンポな展開に持ち込んで、相手ディフェンスを粉砕してしまいたい。しかし、ジャンプシュートの確率が悪く、ディフェンスに集中力を欠けば、ホークスに付けいる隙を与えてしまう。ホークスはハワードの起用法がカギになる。ゴール下で違いを作れないようなら、シューターを増やしたより平面的なラインナップの方が効果的だろう。

 

準備万全のラプターズが圧勝の予感

 3.トロント・ラプターズ 51勝31敗

  6.ミルウォーキー・バックス 42勝40敗

ラプターズは、カイル・ラウリーの離脱がなければ第1シードをさらうことができたかもしれない。デローザンは1対1の得点能力をさらに高めているし、経験のあるイバカも加わった。しかし、このチームはラウリーのチームだ。地区準決勝でキャブスを倒し、ファイナルに駒を進める力はある。

 

バックスは、ジェイソン・キッドが手塩にかけて育ててきたヤニス・アデトクンボがいよいよ開花した。ジャバリ・パーカーを失いながら、ここまでたどり着いたのはひとえにアデトクンボの力だ。プレイオフでも彼の双肩にチームの運命がかかることになるが、今季は苦い経験を得るためのシリーズになるかもしれない。

 

両チームの性格からロースコアの展開になるだろう。ラプターズは仮想レブロンとしてアデトクンボを潰す準備ができている。屈強な古強者キャロルとイバカが代わる代わる彼をすり潰しにかかるだろう。ラプターズのスイープが順当なところだ。

 

絶不調キャブスをペイサーズが苦しめる

 2.クリーブランド・キャバリアーズ 51勝31敗

  7.インディアナ・ペイサーズ 42勝40敗

連覇を目指してシーズン中に次々と選手を獲得してきたキャブス。不足していたプレイメイカーにはデロン・ウィリアムスを加えたが、トリスタン・トンプソンが抜けたインサイドの穴が埋まらない。後半戦の失速は深刻でプレイオフも厳しい戦いとなる。レブロン、カイリーに加え、昨季は苦しんだケビン・ラブが攻撃で貢献できているのは明るい材料。

 

ペイサーズはポール・ジョージが完全復活し、プレイオフに戻ってきた。若いターナーが成長し、職人肌のベテランが脇を固める布陣は小粒だが手強い。そして、問題児のランス・スティーブンソンをプレイオフ直前に復帰させたのもおもしろい。

 

こんなところでつまづくことのできないキャブスだが思いのほか苦しむだろう。ペイント内にどんどんアタックされると厳しい。ただし、ペイサーズのリバウンドがそれほど強くないことは救いかもしれない。徹底マークされるレブロンに代わって、カイリーとラブが大量点を稼ぎたい。そして、アップテンポな展開でハイスコアゲームを挑んだ方がいいだろう。ロースコアになればペイサーズにも勝利の目が出てくる。

  

西地区

ウォリアーズが順当に首位、それにスパーズが続くところは昨季と変わらない。第3シードのロケッツがシンデレラチームだ。主力の故障でシードを落としたクリッパーズをはじめ下位にもおもしろいチームが並んでいる。しかし、戦力ではウォリアーズが圧倒している。今季のスパーズは粒が小さく、ロケッツはディフェンスが悪い。クリッパーズも決め手に欠ける。番狂わせを期待できるチームが並んでいるが、あくまでも番狂わせ。ファイナル進出の大本命はウォリアーズだ。

 

リラードの大爆発で奇跡を起こせるか

 1.ゴールデンステート・ウォリアーズ 67勝15敗

  8.ポートランド・トレイルブレイザーズ 41勝41敗

ケビン・デュラントの加入は単なる得点源としてでなく、ディフェンスとリバウンド、そして外角シュートが入らないときの1対1での得点といろいろな意味でウォリアーズにプラスをもたらしている。優勝の大本命といっていいだろう。しかし、オールスター4人以外の戦力はダウン。そこにほころびが見出せるかもしれない。

 

対するブレイザーズは躍進を期待されたシーズンだったが大きく裏切った。しかし、シーズン終盤調子をあげてプレイオフに滑り込んだ。リラードとマッカラムのガードコンボは爆発力があり、チーム全体の運動能力は高い。簡単にスイープされてしまうようなチームではない。

 

順当にいけばウォリアーズだが、アップセットのシナリオを考えてみよう。リラードとマッカラムが好調なら簡単には止めることはできない。カリーとトンプソンは足を使ったディフェンスが決して得意ではない。運動能力で上回るブレイザーズデュオがスピードで1対1を仕掛ければ、かなり苦しい状況になる。そして、ウォリアーズの弱点はディフェンス・リバウンドだ。ブレイザーズのフォワード陣にはウォリアーズのゴールしたをかき乱す運動能力がある。ブレイザーズがガード対決とリバウンドを制すことができれば、奇跡を起こすことができるかもしれない。

 

主力の揃ったクリッパーズが経験と地力で勝る

 4.LAクリッパーズ 51勝31敗

  5.ユタ・ジャズ 51勝31敗

クリッパーズクリス・ポール、ブレイク・グリフィンの離脱で成績を落としたものの、それでも50勝をあげた。シーズンを7連勝で終え、勢いに乗っている。先発5人が揃ったときの破壊力はリーグ屈指だが、ベンチに問題がある。それでも、クリス・ポールが健康なら何とかしてくれるという期待もある。ただし、クリッパーズはウォリアーズに相性が悪く全く勝てない。ここを乗り越えないことには成功したシーズンとはいえない。

 

ジャズは昨季の無念を晴らし、ついにプレイオフに進出。理詰めのハーフコートゲームを展開し、ゆったりしたペースでロースコアに持ち込んで相手を仕留めるスタイル。失点数はリーグ一少ない。攻撃ではゴードン・ヘイワード、守備ではルディ・ゴベールが中心となる。

 

シーズンではクリッパーズが3勝1敗と勝ち越し。ロースコアの展開でもクリッパーズが勝っている。主力選手が健康ということもあり、意外とあっけなくクリッパーズが勝ち抜けそうだ。両チームともジョーダン、ゴベールというリーグ屈指のセンターがペイントを守っている。外角のシュート確率がカギになる。ジャズとしては、ミドルレンジのシュート率で優位に立ってクリッパーズを追い込みたい。一方、クリッパーズジャンプシュート対決を受けて立たず、速い展開に持ち込んでジャズのゲームプランを崩壊させてしまいたいところだ。

 

トリプルダブル対決はロケッツの3点シュート攻勢に軍配

 3.ヒューストン・ロケッツ 55勝27敗

  6.オクラホマシティ・サンダー 47勝35敗

ロケッツはジェームス・ハーデンをPGにコンバート、徹底して3点シュートを撃ちまくるスタイルで快進撃した。2点のジャンプシュートはまず撃たないのでおもしろい。とはいえ、よく似たスタイルのウォリアーズほどディフェンスはよくなく、勝率5割以上のチームとの対戦成績も芳しくない。ここからどこまで進めるか真価が問われる。

 

シーズントリプルダブルを達成したラッセル・ウエストブルックがロケッツに立ちはだかる。サンダーは3点シュートの本数、確率ともに悪く、ウエストブルックを十分にサポートできていない。一方、リバウンド力は神がかり的に強く、その特徴をどう活かせるかが見所だ。

 

MVP有力候補の対決になる。トリプルダブルが何回でるかも見所だ。ロケッツにも隙はあるが、サンダーの攻撃力には問題がある。ロケッツの3点シュート攻勢にサンダーが付いて行けず、徐々に点差が離れていくという展開がもっともありそうだ。サンダーはとにかくリバウンドを取りまくってロケッツを慌てさせたい。そして、ゆっくりしたペースでロースコアの展開にした方が有利になるだろう。

 

ガソル兄弟対決を制すればグリズリーズにもチャンス

 2.サンアントニオ・スパーズ 61勝21敗

  7.メンフィス・グリズリーズ 43勝39敗

安定の60勝をあげたスパーズだが、カワイ・レナードへの依存度が高まっている。レナードは着実に得点力を増し、デッドモンの成長など明るい材料はある。攻守にわたる全員バスケは手強いが、神通力を持ったベテラン勢の衰えが気になるところだ。

 

グリズリーズは今季も粘り腰でプレイオフに進出してきた。センターにマルク・ガソルがいて、もっとも過小評価されている男マイク・コンリーも好調だ。ランドルフがベンチから出てきて、ビンス・カーターが歳を取らないのだから、誰にとっても面倒なチームには違いない。

 

レギュラーシーズンの対戦成績は2勝2敗。ハーフコート中心のロースコアの展開になる。地力で勝るのはスパーズだが、すべての試合が僅差になるだろう。ビッグマン同士のインサイドの戦いを制すれば、グリズリーズにもチャンスが出てくる。パウとマルクのガソル兄弟対決にも注目だ。