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汽水域 Ki-sui-iki

ローカルとオルタナティブ 浸透し混じり合うところに生まれる生態系

南相馬ソーラー・アグリーパークで、トヨタの水素カーMIRAIを見たよ

南相馬ソーラー・アグリパークに行ってきました。500Kwの太陽光発電所と水耕栽培による野菜工場を併設した自然エネルギーの体験学習施設です。

東日本大震災津波原発事故の被害を受けた福島県南相馬市にあります。海岸からは1.5キロ、福島第一原発から30キロ余りのところです。

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 運営する一般社団法人あすびと福島の代表理事、半谷栄寿さんは、震災前の2010年まで東京電力で働いており、退職時には執行役員を務めていました。もともと南相馬市の出身ということもあり、福島県へのJビレッジの誘致にも積極的に関わっていたそうです。

震災後、故郷の惨状を目の当たりにし、原子力に替わるエネルギーの普及と次世代を担う人材の育成を目的としてソーラー/アグリパークを立ち上げました。

 

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太陽光発電所。約5KW発電し、その一部で野菜工場の電力をまかなっています。

 

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こちらが野菜工場。外界と隔絶した環境で葉物野菜を栽培。地元スーパーに出荷しています。

 

ワークショップなどを行うセンターハウスは今までプレハブでしたが、このたび鉄骨の新しい建物に建て替わりました。

 

f:id:daichi76y:20161205223004j:plain太陽光発電の学習設備。ハンドルを回してパネルの角度を変えると、発電量が変わります。

 

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水力発電の学習設備。ポンプでくみ上げた水で、水車を回して発電します。

 

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電気自動車。自前で充電しています。

 

センターハウス内では、東芝による水素エネルギーの出前授業がありました。

 

水素は、酸素と化合する際に爆発的なエネルギーを発生させます。このエネルギーを電気に変えるなどして利用できます。水素と酸素が合成してできるのは水なので、有害な物質は発生しません。

一方、電気を使って水を水素と酸素に分解し、水素を蓄えておくこともできます。この水素を使って発電をすることができるので、ちょうど電気を水素の形で蓄える蓄電池のように使うこともできます。

蓄電池は携帯電話のバッテリーのような小さいものは簡単に作れますが、大きな電力を蓄えるものを作るのは非常に難しくなっています。しかし、水素を使えば大きな電力を蓄えることができます。供給が不安定な自然エネルギーの欠点を補うことができますし、稀少元素を使ったり、環境を汚染する化学物質を排出すること無く、恒久的に使えるのも利点です。

 

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まずは、水素のエネルギーで小型の自動車を走らせる実験です。

ドロドロに濃いコーヒーを入れた容器に竹炭を2本差し、「蓄電池」を作ります。

これを電池とつなげると容器の中のコーヒーが徐々に泡立ってきます。これで充電完了です。

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次に、3Dプリンタで作った「自動車」に蓄電池を載せ、モーターに接続すると、するすると車輪が回り、「自動車」が動き始めました。

 

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電池をつなげたとき、「蓄電池」の中では「電気二重層」と「水の電気分解」という現象が起こっていました。

「電気二重層」というのは、竹炭でできた電極の表面に電荷が集まる現象です。もうひとつの「水の電気分解」は電気の力で水が水素と酸素に分解される現象。分解された水素と酸素はイオンの形でコーヒーの中に溶けていますが、溶けきれなかったものが外に出てプクプクとコーヒーを泡立てていました。

このとき、およそ2.5Vほどの電圧になっていました。

これを電池から離してモーターにつなぐと、蓄電池にたまっていた電気が回路に流れることでモーターを動かしました。

ちなみに、なぜコーヒーを使ったかというと、水を弱酸性にした方が電気が流れやすいからです。もちろん、アルカリ性でもよいですし、コーヒーではなくお茶やオレンジジュースなどでもいいかもしれません。

 

 

実験が終わると、トヨタ燃料電池自動車ミライの見学です。ガソリンの代わりに圧縮した水素を燃料にし、ボンネットに積んだ燃料電池で発電。自動車を走らせます。

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電気で走る自動車はすでにありましたが、リチウム電池に電気を充電するのに時間がかかるのが欠点でした。その点、ミライはガソリンスタンドで給油する感覚で燃料にあたる水素を補給することができます。

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実際、ミライが走ったあとに水を捨てた跡が残っています。これは、水素を使って発電したこと、つまり、水素+酸素→水の証拠です。

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ちなみにコンセントのオブジェの裏側はこんな感じになってます。

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