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汽水域 Ki-sui-iki

ローカルとオルタナティブ 浸透し混じり合うところに生まれる生態系

【おんな城主直虎】(16)ツンデレはつらいよ

第16回「綿毛の案」では、ついに政次が直虎を助ける。

 

方久の提案で瀬戸村で木綿を栽培することにした直虎。しかし、戦乱の後遺症で人手不足が甚だしい。近隣の目付に百姓を借りに行くが案の定、断わられる。

 

たまたま出会った水浴びする男に「人を買えばよい」と言われ、安く買える場所を調べに旅人の集まる方久の茶屋に向かう。直虎を追ってきた政次は「噂を集めるより噂を流す方が早い」と言い残して去る。葛藤を乗り越え政次の策に乗った直虎。これが見事に成功し、井伊谷には各地から逃げ出してきた百姓が多く集まってきた。

 

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【おんな城主直虎】(15)デッドマン・ウォーキング

第15回「おんな城主対おんな大名」では、直虎が寿桂尼と対決する。

 

寿桂尼が直虎を駿府に呼び出し、誰もが直親の最期を思い出す。政次は直虎に井伊の後見を自分に譲るよう迫る。道中、今川の刺客に襲撃された直虎は駆けつけた直之に救われた。直虎は、後見を政次に譲り井伊谷に戻ると見せかけ、直之になりすまし駿府へ急行、寿桂尼との対面を果たす。そして、瀬戸・祝田両村の百姓の嘆願もあり、井伊の城主として認められる。

 

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【プロ野球】投手中心のチーム作りは息苦しい減点法の日本式生産管理の象徴だ

2017年のプロ野球が開幕しました。開幕直前に順位予想をした手前、蓋をあけたところでの答え合わせと反省をしてみたいと思います。そして、やっぱりジャイアンツは優勝できそうにないなあ、というお話などもしてみたいと思います。

 

プロ野球が開幕して2週間(厳密には15日)が経過しました。4カードが終了し、5カード目に突入、各チームまだ対戦していないチームもあるという状況なので、もう少し試合数をこなさなければはっきりした戦力分析はできないと思いますが、ひとまず、「蓋をあけてみた」ところで、開幕前の順位予想の反省をしてみたいと思います。

 

パ・リーグ

イーグルスバッファローズが好調、ライオンズもまずまずの位置につけています。春の珍事かもしれませんが、選手起用に信念や哲学を感じるところもあり、単なる好調だけでは片付けられないと思います。特に楽天の「2番ペゲーロ」は日本野球の常識を覆す戦術で、心情的にはなんとか成功してもらいたいです。いきなり優勝とはいかないまでも、昨年下位に沈んだチームがなかなか落ちていかず、混戦を演出するのではないかと思いました。

 

マリーンズはチーム打率が2割を切るという惨状で下位に沈んでいますが、理由がはっきりしているので、打線の復調とともに徐々に浮かんでいくと思います。

 

世の期待とうらはらに私がBクラス予想したファイターズですが、大谷翔平の故障離脱で的中の芽が出てきました。このまま、終わるとは思えませんが、浮上も決して容易ではありません。

 

そして、優勝予想をしてしまったホークスも故障者続出で苦戦をしています。選手層が厚いので穴が埋まりそうなものですが、どうもそう簡単にはいかないようです。昨年も和田と柳田の離脱後、成績が急落していました。評論家がよく使う「選手層が厚い」という評価のメリットについては考え直してみる必要があるようです。

 

経験の乏しいチームが上位にいるため、このままで進むとは思えません。かなりの混戦になっていくのではないでしょうか。

 

セ・リーグ

カープが引き分けを挟んで10連勝を記録。首位を突っ走っています。ジョンソン、中崎が離脱しながらのこの成績にはチーム力の深さを感じさせます。これだけトラブル対応力が高いとなかなか大崩れが無いように思います。

 

スワローズ、ベイスターズは打線の不調によって下位に沈んでいますが、そのうち浮かんでくるでしょう。特にスワローズは投手陣が下馬評より安定しており、上位躍進が期待されます。

 

ドラゴンズは思ったより地力がありませんでした。しかし、投手陣は意外とがんばっており、きっかけさえあれば調子を上げてくるかもしれません。

 

タイガースは糸井加入効果で打線が活発。カープを破った唯一の球団として現在、2位。クライマックス争いに加わりそうです。とはいえ、他チームの不調に助けられているところもあり、これから真価が問われることになるでしょう。

 

ジャイアンツは早くも5連勝と5連敗を経験。開幕5連勝中から不安要素はあり、しかもまだそのすべてが出切ったとはいえません。上に行くか下に行くか微妙なところです。

 

開幕前の混戦予想に反し、カープに独走の可能性も出てきました。ドラゴンズを除く4球団は混戦でしょう。この中からカープを追撃するチームが出てくるでしょうか。

 

ジャイアンツが勝てない理由

さてここで再びジャイアンツの分析をしたいと思います。以下に書くことは開幕5連勝中から徴候が見えており、その後の成績下降の予感を感じていました。とか言うと、後出しジャンケンで卑怯なのは百も承知ですが、正直いえば、もう少し長く好調が続くだろうと思っていました。こんなに早く成績が落ちるのは予想外でした。そして、これからまだ落ちる要因も残っていそうです。

 

投手陣はそんなに悪くない

まず、投手陣はそんなに悪くありません。開幕5連勝中はチーム防御率が2.3程度と驚異的な数字を叩きだし「このまま行くわけはない」と思いましたが、3試合で29失点とタコ殴りにされたカープ3連戦を経ても3点台の防御率をキープしています。

 

先発は試合を作れる投手が6人いて、抑えも不安があるとはいえ、それは他チームも事情は同じ。よくやっているといえるでしょう。

 

ちなみに、ローテーションの6人は吉川以外昨年と同じ。FAの山口は出遅れでも、まだ杉内と高木が余っています。正直、補強のポイントを間違えたようにも思います。

 

開幕5連勝中のようにほぼ完璧に抑えることを要求するのは無理があります。この投手陣で勝てないとすれば、むしろ打線に問題があるのではないでしょうか。

 

阿部慎之助に頼り過ぎ打線

打線は4番の阿部が絶好調です。現在、本塁打と打点の2冠王、このままのペースでいけば200打点も夢ではありません。しかし、当然、そんなペースでいくわけはない。阿部に頼り過ぎているという印象です。

 

坂本が出て、阿部が返す、勝負を避けられたらマギーがいる、というのがジャイアンツの基本的な得点パターン。先発陣が失点を最小限に抑えて接戦に持込めば、どこかで阿部がなんとかしてくれる、という感じで勝っています。

 

しかし、その微妙なバランスで成立した勝ちパターンが崩れると途端に勝てなくなります。クリーンアップの3人以外は打撃が不調です。大量点は難しいので、投手陣が崩れると逆転は不可能になります。

 

しかも、まだ阿部が好調の中で5連敗をしてしまいました。もし、阿部が絶不調に陥ってしまえば、さらに得点力は下がります。そして、年齢が高く故障歴がある阿部が開幕から大車輪の活躍をしているのにもイヤな予感がよぎります。万が一、パンクしてしまえば取り返しのつかないことになるでしょう。

 

どれだけ層の厚いチームであっても「替えの効かない選手」の代わりはいないのです。

 

1番、2番の出塁率を上げよ

阿部の負担を軽くして得点力を上げるためには、1、2番の出塁率を上げることが必要です。

 

1番中井、2番立岡の出塁が絡むと大量点に繋がっています。しかし、実際には二人合計で打率.220、出塁率.265とチャンスを作れていません。この状況で阿部が打点を稼げているのは、坂本と阿部の超人的な活躍があるからでしょう。1年間これが続くと思ってはいけません。

 

そもそも、中井、立岡というのはジャイアンツ打線の中ではネームバリューが低い選手です。もちろん、若手の有望株を抜擢するのはいいことですが、大補強を行ったわりには顔ぶれが軽量です。補強のポイントを間違えたのか、このポジションを軽視しているのか。開幕から固定して起用しているということは、高橋監督が信念を持って抜擢したということでしょうから、辛抱が実を結んで成績が向上して欲しいとは思います。しかし、現時点では機能しているとは言い難いです。

 

選手層が厚くても勝てるものではない

ジャイアンツのベンチには、村田、亀井という選手が控えています。代打で起用するにはとても贅沢な顔ぶれです。特に亀井は凄まじい代打率と得点圏打率を記録しています。

 

「さすがジャイアンツ、選手層が厚い。相手チームにとっては脅威ですね」などとのん気なことを言うアナウンサーもいますが、「だったら4打席打たせた方がたくさん点が取れるんじゃないか」とも思うわけです。勝ちまくっていれば贅沢な悩みで済みますが、実際にはそれほど勝っていないわけですから、チームのちぐはぐさの象徴になってしまいます。こんな状況でも「選手層が厚い」と言って悦に入っているのは、勝ち負けの追求には興味のない独特の美意識か変態的な性癖を持つ人なのだろうと思います。

 

二軍を見れば、打者も投手も有力な選手がさらに余っています。これでは宝の持ち腐れです。とはいえ、彼らと入れ替えれば勝てるとも限らない。

 

「選手層が厚い」というのは順位予想などで解説者が多用する言葉ですが、それが実際にどれくらい役に立つのか詳細に検討してみる必要があると思います。

 

常勝巨人の建設には「2番坂本」だ

この際なので、1番右翼亀井、2番遊撃坂本という打線を提案します。3番以降は阿部、マギーと続ければいいです。(ついでにいえば、マギーを二塁手で起用し5番三塁村田という超重量打線も試す価値はあると思います。)

 

1、2番はそれくらい重要だと思います。後回しにすべきではない。特に2番は現代野球でもっとも重要な打順といってもよいです。主将の坂本を置くべきです。

 

カープには菊池、ベイスターズには梶谷がいます。どちらも出塁率が高く、長打も打てます。菊池は進塁打が打てるイメージがありますが、「必要ならそれもできる」というだけです。ちなみに打撃不振のスワローズは打順を変更し、1番から山田、雄平、バレンティンという打線を組んできました。これもやはり、1、2番を重視した「速攻型」の打線と言えましょう。

 

ジャイアンツの2番には坂本がふさわしい。どうしても坂本を3番で起用するなら、それ以上にふさわしい選手を2番に置かなければ説得力はありません。

 

日本を覆うV9野球の呪縛

日本の野球では「1番俊足、2番はバント」というイメージがあります。そのルーツは半世紀前のV9川上ジャイアンツといえるでしょう。当時は王、長嶋という伝説の選手を擁しているので強力打線をイメージするかもしれませんが、川上監督は投手中心の守りの野球を指向していました。そして、攻撃でも1点を確実に奪う細かい野球を目指しました。

 

川上ジャイアンツの成功を受けて、そのモデルは他の球団にも拡散します。中でも成功したのがV9時代に選手だった広岡、森のライオンズです。こうしてV9野球の常識は長きにわたって日本の野球を支配していきます。

 

しかし、最近ではセイバーメトリックスというビッグデータ分析により、バントの有効性が疑問視されるようになってきました。メジャーリーグでは出塁率長打率が重視され、この合計が高い選手を1番から順に並べた方がより多くの得点をあげることができるという驚きの(がっかりするほど大雑把な)分析も発表されています。

 

いずれにしても「2番はバント」という「常識」をいったん頭から追い払って、一からきちんと考えないといけない時代になったのは事実でしょう。

 

減点法の息苦しさ

野球界には「打線は水もの」という格言があります。なので、投手力を中心に安定したチームを作らなければならない、と。これは間違いではないと思います。しかし、打線を軽んじれば、投手への要求がどんどん窮屈になっていきます。

 

最近はメジャーリーグ発祥の「クオリティ・スタート」という言葉も一般的になってきました。つまり、先発投手は「6回3失点で及第点」という意味です。これは防御率では4.50となるので、それほどよい成績とはいえません。しかし、打線が4~5点取れば、これでも十分勝てます。そして、6回3失点でよいなら先発投手を5人集めることが容易になります。「毎試合7回以上投げて2点以内、できれば完投」という基準だとほとんどの投手が落第してしまいます。

 

強い打線を持てば、投手への要求ハードルを低く抑えることができます。「打線は水ものだから」と弱い打線を当たり前と考えてチームを設計すると、投手への要求が過大になってしまいます。

 

「打てば勝つ」と「打たれたら負ける」は、実際には同じことかもしれませんが、前者の方が気持ちの上では穏やかに受け入れられます。加点法と減点法の評価の違いです。(野球の場合、相手に点を取られれば減点の対象ということです。非常に紛らわしいですが、点が入ると、点を減らされるのです。)

 

加点法より減点法の方が扱い方が簡単です。ミスを発見すればいいわけですから、規格化が容易で平凡な人でも間違えずに、誰がやっても同じ結果になるように評価を行えます。そのため、ミスを発見しミスを改善することで状況を好転させようと多くの人が考えます。つまり、その方が簡単だからです。

 

それ自体間違いではりません。しかし、必要以上にミスに過敏になると精神的に押しつぶされてしまいます。失敗の原因をミスに求め、ミスを無くすべく改善することは常識的な生産管理の方法ですが、行きすぎると不毛というか滑稽なものにも成りかねません。人間はミスをする生き物ですから、ある閾値を超えてミスを減らそうとすると物理的に破綻してしまうわけです。そういうわけなので、可能ならむしろミスの許容度を上げる努力の方が必要になります。

 

野球で言うなら、投手力と打力の関係です。得点力を向上することで失点の許容度をあげるわけです。

 

負ければ打たれた投手のミスが目立ちます。それをあげつらうのは簡単です。しかし、このような減点法の評価というのがジャイアンツの躍進を阻むものである、そして、現代の日本を覆う閉塞感の原因であるように思えてならないのです。

 

 

【おんな城主直虎】(14)16世紀の資本

第14回「徳政令の行方」では、直虎は危機をひとつ乗り越えるのだが。

 

政次の暗躍により瀬戸村、祝田村の百姓は井伊をとばして今川に徳政令を願い出る。直虎は両村を竜譚寺に寄進することで、今川の要求を回避する。それに対し百姓たちは方久を襲撃して人質に取る強硬手段に出る。追い込まれた直虎だが、両村の田植えを勝手に行うことで村人たちを誘い出すことに成功する。

 

政局化する経済危機

今回は経済危機を背景にした複雑な政治劇になっている。いわば、リーマンショック級の経済危機に直面して早急な経済対策が求められるところ、さまざまな利害関係に政局的な思惑が働いて事態が極めて複雑化していくようなことだ。新興企業(方久)、労働組合(百姓)、年金生活者(しのたち)、外圧(今川)、政敵(政次)、与党内の反対派(中野、奥山)などが自らの思惑で動いている。

 

本来、経済政策にあたっては敵も味方もない。すべてのプレイヤーに対し折り合いがつく妥協点を探すべきものだ。にも関わらず、明らかに目に見える対立が立ち上がってくる。

 

政令は借金を無効にする政令で、室町時代以降、頻繁に出された。背景には商工業の発達によって貨幣経済が浸透、土倉、馬借などの金融業者が出現したことがある。貧民救済策の側面もあるが、担保として土地が人手に渡ったり、借金苦により領民が夜逃げをしたりすると税収が得られなくなり領主の側にも直接的な損失となる。それを避けるための徳政令ということもある。徳政令は現在の金融用語ではデフォルトと言う。当たり前だが、貸した金が返ってこないとなると誰も金を貸さなくなる。信用経済の崩壊である。それで困るのは借り主の方だ。そして、ある程度、物流が発展した時代なら短期的な貸借が成立しないと経済活動そのものが滞ることにもなる。弱きを助け、悪徳商人を懲らしめるためにやっていいものではない。

 

そして、今川が介入することでこれは経済の問題ではなく、政治の問題になってしまった。今川が国衆である井伊領内に徳政令の発布を求めることは内政干渉にあたる。今川は既成事実を作って井伊への支配を強めたいし、井伊は自治権を守りたい。もはや徳政令の是非の問題ではない。直虎(柴咲コウ)は是が非でも徳政令をはねつけなければならなくなったのだ。

 

今川の徳政要求に対して、直虎は瀬戸村、祝田村を形式的に竜譚寺に寄進することで回避する。今川仮名目録に「寺領は守護不入」とあるのを根拠にしている。つまり、今川の要求を今川の法でかわしたのだ。

 

寺の領地に「政府」の行政権が及ばないのは、古くからの慣習としてあった。平安時代には国司の介入を避けるため、武士は所領を寺院や有力貴族に寄進して、「管理人」という名目で土地を支配した。武士が力をつけると、公家や寺院の領地は武士によって不法に押領されていくが、そうしたことに歯止めをかけて秩序を守るのが仮名目録の趣旨だ。この慣習は江戸時代まで残り、寺社の敷地は町奉行の支配の及ばない実質的な治外法権の土地になる。そのため、賭場や遊郭など違法な遊興が行われることになる。

 

そして、一揆の問題がある。武士と農民がはっきりと別れた江戸時代の百姓一揆とこの時代の一揆は様相が異なる。

 

兵農分離が行われていない時代なので多くの農民が武装しており、徴発されて戦に参加する者もあった。富裕な農民は年貢の減免と引換えに軍役を負担し地侍という半農半士の身分を得ていた。そして、武士のほとんどは屋敷の近くの領地に軍事力と経済力を依存した農場経営者だった。単純に武士と農民の対立とはならず、その間でどちらにつくか迷う者もいる。そして、農民の側も武士に対抗できる武力を持っていた。

 

瀬戸、祝田はどのようなところか

瀬戸村、祝田村というのは現在の浜松市北区細江町中川にある。おおよそ都田川の流域だ。蜂前神社も都田川の南側にある。

 

井伊家とその重臣の領地の多くは、井伊谷川と神宮寺川の流域にある。二つの河川が合流するのが井伊の本拠地・井伊谷で、それより川下にある水上交通の要衝・気賀の手前で井伊谷川は都田川と合流し、浜名湖に注ぐ。

 

都田川流域というのは、井伊領のもっとも南側の地域であり、井伊谷からはひとつ山を越えた谷の外側の土地になる。おそらく比較的、新しい領地なのだろう。そのため、分家の直親(三浦春馬)の所領になったり、しの(貫地谷しほり)や新野家の姉妹の生活を支える化粧料になったりと、比較的流動性の高い領地になっていると考えられる。

 

さらには、奥まった井伊谷と比較して、交通の便のよい開けた土地だ。流通の拠点・気賀が近く、浜名湖の北側を通る街道も近くを通る。そのため、新興の商工業と接する機会も多く貨幣経済が浸透している土地柄なのだろう。瀬戸方久ムロツヨシ)のような成り上がり商人を生み出す土地でもあるし、貨幣経済の負の側面として村中が借金漬けにもなる。

 

直虎は井伊谷という武士の起った頃から井伊家が支配する古い伝統が残った農業地域で生まれ育った。しかし、方久と手を結んだ直虎は、最先端の商工業の洗礼を受けた瀬戸や祝田を中心に井伊家の経済を立て直していくことになる。そして、それは抵抗勢力と化した旧来の重臣たちから離れ、彼らと対決する力をつけるためでもある。

 

政次は何を思う

政令問題を解決したように見える直虎だが、うまくやればやるほど今川の圧力は強まってくる。今川の法に則ったといっても、世は戦国。法など恣意的に運用するためのものでしかない。手負いの虎である今川にかつての王者の風は無い。ゴッドマザー・寿桂尼浅丘ルリ子)には自らの寿命が尽きようとしている焦りもあるだろう。マキャベリズムに取り憑かれている。

 

ついに直虎との直接対決に乗り出した寿桂尼に、政次(高橋一生)の顔は引きつる。今まで直虎と井伊家を苦しめるために暗躍してきた政次は何を思うのか。

 

これまでの政次の行動は、最悪の事態から直虎と井伊家を守るための芝居だったのではないのか。そして、最悪の瞬間が近づいたとき、政次はどのような行動に出るのか。

 

それとも、それは時空を超えた場所から眺めるドラマ視聴者の淡い願望でしかなく、政次は今川の手先に成り下がったままなのだろうか。

 

daichi76y.hatenablog.com

 

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