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汽水域 Ki-sui-iki

ローカルとオルタナティブ 浸透し混じり合うところに生まれる生態系

神在月ってなんですか?縁結び、出雲王朝からハロウィンまで(前編)

旧暦の10月は神無月と呼ばれますが、出雲地方でだけは神在月神有月)と呼んでいます。毎年旧暦の10月になると日本各地の神さまが一斉に出雲大社に集まり、日本中で神さまが「無」くなり、出雲にだけ「在」るためだと言われています。

神さまが出雲大社に集まる理由はさまざま伝えられていますが、この先一年の縁結びを決めるための会議を行うという説がよく知られています。そのため、出雲大社が縁結びの神社とされているのですね。

 

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 神在祭ってなんですか?

すでに過ぎてしまいましたが、2016年の神在月、つまり旧暦の10月は、現代の暦(新暦)でいえば10月31日から11月28日まででした。2017年は11月18日から12月17日が神在月にあたります。このように、旧暦と新暦ではおよそ1~2か月くらい暦がずれます。

 

出雲大社に神さまが集まるのは神在月の10日のこと。この日は神迎祭という神事が行われます。出雲大社の近くにある稲佐の浜で神さまたちの到着をお迎えするという神事です。船に乗って海からやってくる、というイメージですね。

 

出雲大社の境内には十九社というお社があります。参道の左右に東十九社、西十九社という形で一つずつ細長い簡素のお社があります。こちらが神在月の期間中の神さまたちの宿舎になります。日本の神さまは八百万(やおよろず)といわれていますので、かなりぎゅう詰めではあります。

 

神さまの会議は1週間続き、神在月の17日には神さまをお見送りする神等去出祭(からさでさい)という神事があります。

 

そして、神迎祭から神等去出祭までの8日間のさまざまな行事をまとめて、神在祭と呼んでいます。

 

 御利益は800万倍?

いわゆる平成の大遷宮以降、出雲大社には以前に増して多くの観光客が訪れるようになりました。中高年の方も多いですが、縁結びの神社ということで若い女性の参拝客も増えています。それに伴って、社前の参道にあたる神門通りの商店街にも若い女性を対象にした新しい店舗が増えています。

 

そうした流れで、神在月出雲大社を訪ねる観光ツアーなども増えています。日本中の神さまが勢ぞろいしたところに直訴に行くわけですから、大願成就間違いなし。八百万の神々だけに御利益も800万倍だァ!というわけですね。

 

まあ、しかし、神さまも長旅で疲れている中、連日の会議をやってるわけですから、「人間の願い事なんか聞いてる暇は無え!」ってもんかもしれません。その場合、罰当たりも800万倍になってしまいます。

 

事実、出雲大社周辺の古い家では、神在月の間は神さまの邪魔にならぬよう派手ごとを慎み静かに過ごすという習わしがあったそうです。

 

今市子の『百鬼夜行抄』によれば、神というのは「祖霊と自然霊の混じり合った高密度の霊的エネルギーの集合体」なのだそうです。したがって、神さまの通り道に人間が侵入すると霊的エネルギーに撃たれて死んでしまうこともある。医師の診断としては「心筋梗塞」にしか見えない、のだと。

この時期の出雲大社には日本中の神さまが集まり、非常に巨大な霊的エネルギーが一点に凝縮していますから、エネルギーが飽和していて非常に危険な状態と言えるのではないでしょうか。わずかな刺激で暴発し、大惨事を引き起こすことも十分考えられましょう。

 

ちなみに、わたしの友人も神在月の出雲に向かう途中、乗っている飛行機に雷が落ちたことがあるそうです。

 

オカルトめいた話はさておき、神在月出雲大社に観光で訪れるというのは本筋ではないようです。実際のところ、冬の山陰地方は天候が荒れます。ぜひ、いろいろ覚悟を決めたうえで訪れていただきたいと思います。

 

中編では、神在月のルーツを探ります。)