汽水域 Ki-sui-iki

ローカルとオルタナティブ 浸透し混じり合うところに生まれる生態系

【おんな城主直虎】(44)母という檻

第44回「井伊谷のばら」の元ネタは、母子のつながりを描くという意味では「ベルサイユのばら」ではなく「パーマネント野ばら」ではないか。

 

いよいよ初陣を迎えた万千代。家康暗殺の企てを見破り未然に防ぎ、1万石の知行を与えられることになる。井伊谷では祐椿尼が病で倒れ、ゆかりの人々が見舞いに訪れる。祐椿尼の計らいで対面が実現したおとわと万千代だが、二人の意見は平行線で物別れに終わる。そんな中、祐椿尼が息を引き取る。

 

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【おんな城主直虎】(43)おとわ、竜宮小僧になる

第43回「恩賞の彼方に」では、おとわと万千代の目指す道のちがいは二人の行動に明確に表われる。

材木の乱伐によって山崩れが起きた井伊谷。おとわは近藤に進言して植林を行うことにする。一方、小姓に昇進した万千代は家臣たちの手柄の整理をきっかけに、家康の使いとして岡崎に赴き論功行賞の調整を見事にまとめる。数年が経ち、井伊谷の長老・甚兵衛が世を去るが、おとわたちと植えた木は確かに成長をしていた。

 

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【おんな城主直虎】(42)茶碗・鉄砲・柵・やおい

第42回「長篠に立てる柵」では、歴史的大事件の裏側のできごとが描かれる。

家康は信長の援軍を得て長篠で武田軍を迎え討つ。大量の鉄砲を用いた新戦術で織田・徳川連合軍は大勝利を飾る。六左右衞門は材木調達の功を認められ、信長から高価過ぎる茶碗を拝領。井伊の者の無事に安堵し、長篠に赴いて戦没者を悼むおとわ。留守居の万千代は真面目に武具を修理するが、手柄を横取りされてしまう。浜松に戻った家康は万千代を寝所に招き「そういうことになってしまおうか」と言うのだが。

 

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私とお雑煮 外側を持たないまだらな世界を夢見て

正月に食べるお雑煮というのは日本に古くから続く風習ですが、餅の入った汁ものというだけが共通でディティールは各地で異なっています。どこかの大学の研究室が全国お雑煮マップというのを作って、都道府県ごとにお雑煮を分類していました。そこでは私の郷里の島根県は、「丸餅」で「小豆汁」となっていました。全国でも唯一、島根県だけが小豆汁とされていたのです。

 

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